烏帽子岩(えぼしいわ)

 茶屋跡から、急な坂道を下ると、トンネルを出た所の県道に出る。そこから、往還復元工事で修復された道を谷筋にそって三百五十メートルばかり下った道の右側に、烏帽子岩がある。先のとがった、ごくありふれた岩であるが、1740年頃の地図や記録に、「烏帽子岩」「えぼし岩」と記入されていることから、自然の道しるべとなっていたと思われる。岩の後方の杉林に、昔は地蔵さんがあり、その前が広場となっていて、休憩できた。殉難三士のうち、香川半助と冷泉五郎の首を、この烏帽子岩の所でさらしたと伝えられている。