■夏木原口屋と国境碑(なつきばらこうやとくにざかいのひ)
夏木原に口屋(こうや)があった。口屋は、通行人の取締りや警戒にあたる所で、関所の小さいものと考えればよかろう。萩の入口にあたる大屋にもあった。
口屋では、口屋銭といって、一種の通行税をとっていた。明木に伝わる彦六・又十郎の物語もこの通行税にまつわる話であることから推測すると、ずいぶん農民を苦しめたことがわかる。
夏木原を過ぎて坂堂峠を登っていくと、道路の左手上方に国境碑がある。碑には「南 周防国吉敷郡 北 長門国阿武郡 文化五年(1808)戊辰1月之」と刻まれている。